こんにちは!あおぴ〜です!
以前に私は海外の介護研修に参加したことがあります!
研修先はオランダのアムステルダム郊外にある『ホグウェイ』という名前の介護施設で、認知症の方だけが入居されている施設です。
『ホグウェイ』がどのような考えで運営しているのか、日本の介護施設の改善にも繋がるお話を聞くことが出来ました。
『ホグウェイ』という施設を説明する前に、まずはオランダのことを知っていきましょう!
この記事で日本人とオランダ人の価値観の違いを説明しようと思います!
この記事を読めば、
- 日本とオランダの歴史
- オランダとの深いつながり
- 日本人とオランダ人の価値観の違い
- オランダ人が最も大切にしていること
を知ることが出来ますよ〜!
「日本」と「オランダ」
「それぞれの国の価値観」が共通しているものもあれば、異なった価値観に考えさせられることもたくさんありました。
そして「オランダ人の大切にしているもの」を通じて、きっと何か得るものがあると思いますよ!
ぜひ読んでくださいね!

オランダ人の価値観は日本人にとって勉強になるものだったよ!
日本とオランダとの深い歴史
オランダとは1600年から日本との繋がりがあり、貿易をしながら文化の交流をしていたという深い歴史があります。
日本とオランダの歴史を知ることで、より近くに感じれるのではないでしょうか。
過去にタイムスリップしていきましょう!
日本とオランダとのはじまり
1600年にオランダの商船(デ・リーフデ号)が初めて日本に漂着しました。
1604年には、江戸幕府が初めて海外の貿易船に朱印状(幕府からオランダに発行され通商許可証)を渡し、朱印船貿易を始ました。
他国との貿易関係は維持していましたが、キリスト教に対する警戒は強まり、布教に力を入れるスペインやポルトガルなどのカトリック国を排除するようになりました。
そして布教活動をしない、貿易のみに力を入れるオランダやイギリスなどを優遇しました。
様々なことがあり、オランダ船漂着から9年後にようやくオランダ船が平戸に入港し、日蘭貿易が本格的に始まりました。
オランダとの貿易品
オランダは1602年に貿易に携わっていた諸会社を統合し、オランダ東インド会社を設立しました。
平戸・長崎・出島に船を入港させたのも、オランダ東インド会社です。

貿易初期には、オランダから生糸、絹織物を輸入していました。
日本からオランダへは銀を輸出していました。
中期以降には、オランダから羅紗、ビロード、胡椒、砂糖、ガラス製品、書籍などを輸入し、日本からオランダへは銅、樟脳、陶磁器、漆工芸品などを輸出していました。
特に、日本の伊万里焼はオランダにとって珍しいものだとされ、オランダのデルフト市の陶器デルフト焼の文様には、伊万里の染付磁器の影響を受けています。

鎖国中で唯一オランダだけが貿易をしていた
鎖国時代は1641〜1853年までの200年間続きました。
江戸時代の鎖国の中にあってもヨーロッパ諸国で唯一、オランダとは長崎貿易を行っていました。
なぜオランダだけ?と思いますよね。
オランダ人の知識に幕府が目を付けたというのが理由です。
そしてオランダ人は目的は貿易だけで、キリスト教布教には一切関わらない方針でした。
なのでキリスト教を排除しようという幕府の動きからすると、安心して貿易を続けることが出来たのです。
オランダは自国文化以外に、ヨーロッパ各国の化学・医学・知識・産物・兵器などを、長崎の「出島」を通じて日本に伝えました。
引き換えに、オランダは日本の品物や知識を西洋の世界に輸出して、富を築いていきました。
明治時代以降も良好に交流を続けていました。
ですが昭和時代に入り、太平洋戦争が始まると関係は悪化していきます。
戦後は日本国との平和条約(サンフランシスコ講和条約)により、日本とオランダのの親交は元に戻りました。
日常から感じられる日本とオランダのつながり
長崎にある有名なテーマパーク『ハウステンボス』は、オランダ国王の宮殿にちなんで付けられた名前です。
オランダの有名な建築物が原寸大で立ち並んでおり、ハウステンボス宮殿が再現されています。
ハウステンボス内のレストランでは、オランダをはじめヨーロッパ各地の料理を味わうことができますよ!
そして他にも、普段から口にしている言葉でオランダ語が自然と使われています。
例えば、「ビール」「コーヒー」「ガラス」「ピストル」「オルゴール」「おてんば」などがオランダ語の音をそのまま真似たものです。
「病院」「盲腸」「炭酸」などオランダ語の意味を漢字に転換したものもあります。
オランダの影響が色濃く残っており、日本人の日常生活に深い繋がりを表しているのかも知れませんね。
オランダは昔から医療が発達している

オランダから江戸時代の日本に伝えられた医学を『蘭方医学(らんぽういがく)』と言います。
オランダ語を通じて学ぶ学問は『蘭学』と言われていました。
医学書としては『解体新書』というものが特に有名ですよね。
ドイツ人クルムスの『解剖図譜』をオランダ語に翻訳したものが日本に来ました。
それを杉田玄白が『解体新書』として翻訳したことにより、知られることになります。
それほどオランダは医学が発展しており、昔から日本との繋がりが深かったと言えます。
オランダの死生観
昔から安楽死の価値観が根付いており、国民の間では「老衰死」「自然死」が常識となっています。
「死の日時を自分で決める」「家で亡くなる」という安楽死を世界で初めて法制化した国でもあります。
自己選択、自己決定へのこだわりは強く、家族や医療者でなく『個人の意思が尊重』されます。
オランダでは、歳をとったときの死のあり方が国民間で共有されています。
そして、それを支える医療・福祉の仕組みが整備されているのが特徴です。
そのため、オランダでは日本の倍のペースでお年寄りが亡くなられています。
多くのオランダ人は『楽しいまま人生を終える』ことを重要視しており、『好きなことが出来ないのであれば死を選ぶ』という価値観であり、延命治療は望まない方が多いそうです。
安楽死を選ぶこともあり、前日はみんな笑顔で余裕を持って望むようです。
そして自分で選んでようやく死ねるという喜びがあり、自分も周りも納得して選ぶという文化です。
日本では理解できない文化ですが、昔から根強く受け継がれています。
日本の死生観
日本では生涯を終えるまで生活するための住居のことを『終の棲家』と言っています。
『最期は自宅で死にたい。』と思っている方は多いです。
ですが実際は高齢者の7割以上が病院で亡くなっているのが現状です。
日本の手厚い医療は世界最高レベルです。
それゆえに、一般的な治療と高齢期の治療の違いをあまり考えず、とにかく患者を受け入れる体制になっています。
そして、「できる限りの治療を施す!」というようになってしまっている状態です。
施設に入居する方は一握り?!

現在、オランダ人高齢者の94%が自宅で生活されています。(オランダ介護機関(NZa)の調査より)
85歳以上の人も2012年には65%が自宅で生活していたのに対し、2016年には72%と増加しています。
介護施設などに入居せずに自立した生活をしている高齢者が増えているということです。
自宅で生活をする高齢者は、必要なときに外部からの援助を受けることが出来、ほとんどが自立した生活に満足しています。
2013年から実施されている医療介護費削減政策で、介護施設への入居資格がそれ以前より厳しくなり入居者数は激減したという背景もあります。
以前は高齢というだけで施設に入居する人がいましたが、そのような方は大幅に減っています。
オランダでは在宅で介護をするゆとりがある
オランダではボランティアをするゆとりもあれば、介護をする時間とゆとりがあります。
現地に暮らす通訳の方に教えてもらいました。
それはなぜでしょうか?
それは社会保障制度が充実しており、必死に働かないでも平均的な生活が保証されているからです。
👇オランダの社会保障制度を詳しく知りたいという方はこちらをどうぞ!

オランダ人で「お金がほしい!贅沢したい!」そう考えている方がいれば、一生懸命働いているでしょう。
ですが通訳の方から、オランダの方は贅沢はあまり考えていない方が多いということを聞きました。
そして、日本人のように終電がなくなるまで残業したり、休日出勤などはしないそうです。
オランダ人が大切にしていること『大切な人との時間』
オランダ人は仕事をたくさんし時間を犠牲にして、賃金を得ようとは思いません。
自分のライフスタイルの変化に合わせた働き方を重要視しています。
オランダ人だってお金が欲しくないわけでは無いと思います。
ですが、それ以上にスキルアップすることや家族との時間を大切にしています。
私の中では、日本人は昔からお金を稼ぐために必死で働き、たくさん働くことが贅沢や自由に繋がると思い、時間を犠牲にして働く方が多い印象があります。
なのでオランダ人の考え方が日本人との考え方と全く異なっており衝撃的で、そのような生き方にとても共感しました。
物理的な贅沢よりも、大切な人と一緒に過ごすために時間を贅沢に使いながら生きていく。
しかし、そのような生き方が出来るのは厚い社会保障がオランダにはあるからなのかもしれません。
家族や子供と一緒に過ごす時間をゆっくりと取れる。
そして介護をする時間=家族と過ごす時間として、一緒にいることが出来る社会。
とても羨ましく感じました。
実際に肌で感じた!オランダの労働環境

実際にオランダに行って体験したことを基に、オランダの労働環境がどの様になっているのかお伝えします!
日本とは異なる労働環境と社会の考え方がとても勉強になりました!
実際にオランダ人の働き方を目の当たりにした
実際に何日かオランダに滞在した時に感じた話をします。
アムステルダムのホテルで食事をしていると、向かいに素敵なガラス張りのオフィスが見えました。

大体5時頃にホテルを戻ると、そのオフィスには人は誰もおらず真っ暗な状態になっています。
通訳の方に私は、
「なぜ5時にはあのオフィスは真っ暗なんですか?残業などされている方はいなのですか?」
と質問してみました。
すると、
「どこの会社も早くても8時出社で、必ず5時に退社していますね。
それ以上に仕事があるのであれば、朝7時頃に会社に行って仕事をするか、持ち帰る方もおられますが、基本はほとんど会社で仕事されていますね。」
と話されていました。
仕事よりも家族との時間を大事にされており、夜は外食はせずに家で食事を食べることが多いそうです。
そして休みの日になればホームパーティーをしたり、ボランティアをしたりと誰かと一緒に過ごす時間を大切にしているそうです。
通訳の方が飲食店の料理は「周りのヨーロッパの国に比べたらそこまで美味しくないよ。」と言われていました。笑
なぜかというと、そこまで必死に働く習慣がないので飲食店同士競うという気持ちが低く、味も普通になってしまうとのことでした。笑
私自身はチーズもソーセージも最高に美味しく、他にも様々な料理があり美味しく感じましたけどね!
社会の労働への考え方

オランダの政府の考えでは、労働をしすぎて精神病になるんだったら「無理なく仕事をして、心の健康も守っていこう!」という考えだと通訳の方から聞きました。
精神病の方が減って健康でいてくれることで、政府の医療費負担が減ることになるからです。
ですが、政府が医療費を全額負担(医療費が無料)してくれている代わりに、軽い風邪などで病院へ行っても薬をもらえずに追い返されることは多々あるそうですよ。笑
政府の考えとして、市民が心も体も健康でいれるような社会を推奨しているのであれば、これほど幸せなことは無いなと感じました。
街中の人々のスタイルを見ていると、背の高いスラッとした体型で堂々と背筋を伸ばし、颯爽と歩いている姿を見ると社会の考え方を物語るようでした。

〜オランダ人の価値観〜まとめ
海外研修をしたことでオランダの文化に触れ、オランダ人の考え方に触れることが出来ました。
オランダ人は家族と一緒に過ごす時間を大切にしたり、自分と周りの方の人生のためにゆったりとした時間を過ごしていることが分かりました。
その考え方は日本人にとって、勉強になるものだと感じました。
もちろん日本人にしか無いものもたくさんあると思います。
しかしオランダ人は人を助けることが当たり前で、小さい頃からボランティア活動をすることが当たり前という考えを持っている文化です。
時間のゆとりと、心の豊かさやおおらかさは現代の日本人も見習うべきなのかもしれません。
そして国自体が人を助ける文化を尊重していて、根強くその意志が引き継がれているのだと感じました。
日本だけで留まらず、海外の色々な良いところや悪いところを見て『知る』ということが人生を豊かにする上でも重要なことを今回の研修を通して感じました。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!
👇次回!【介護の海外研修に参加!】オランダの介護事情を徹底解説!②も読むとオランダのことをもっと知れますよ〜!

👇先に『ホグウェイ』のことが知りたいよ〜という方はこちら!
本題のオランダの『ホグウェイってどんなところ?!』で施設紹介します!
【準備中です…】
こんばんは!
僕は転勤族で実家を離れて生活しているので、介護について最近考えることが多くなりました◎
オランダと日本の死生観の違い面白かったです!
こんばんは!
コメントありがとうございます!
ご実家から離れて暮らしていると介護についても不安になりますよね。
予め介護について考えることで色々対策も考えられそうですもんね。
オランダと日本の死生観共感してもらえて嬉しいです!
読んでくださってありがとうございました!
またオランダの施設についても書いているところなので、良かったら見て頂けると嬉しいです♪